#blog2navi()

ワンフリに見るネットゲーム開発の難しさ

ワンダーフリックというスマホ向けのゲームが有る。ドラクエやレントンレイトン教授などを開発したレベルファイブが開発したネットワークゲームだ。サーバ運用に苦戦しているようで、メンテナンス後オープンしては、サーバが過負荷で落ち再度メンテするような事態を繰り返している。

【ワンダーフリック】ここ数日の状況をグラフにしてみた結果がヤバイwwwwwwwwwwww http://wonderflick.blog.jp/archives/2472361.html

d16106e7-s.png

ここ一週間ほとんどメンテナンスばかりしている。

多分、中の人はメンテナンスばかりで疲弊しているのでここらへんで、仕切り直しをしたほうが良いだろうと思う。

システムを作ること、ゲームを作ること。

このようなメンテ地獄を招いた原因はなんだろうか?ゲーム開発のノウハウがなかったのだろうか?ドラクエやレントンレイトン教授を作った人たちなので、そうではないだろう。彼らに足りなかったのは、システム開発の経験だった。 ゲームとネットゲーム、同じようにゲームと名前が付くので、同じものだと思いがちだが実際はだいぶ構造が異なる。原因としてあげられるのは、上層部がネットゲームとゲームの違いを理解せずにリリースしたのではないかと考えられる。

ゲーム作りは思っているより難しい。

Game Development: Harder Than You Thinkという論文がある。-> http://queue.acm.org/detail.cfm?id=971590

1990年台から、2000年台にかけてゲーム作りの要素技術がどのように変わったかその変化を追った論文だ。そこに面白い図が乗っていた。

例えば、初期の2Dゲームはこんな感じ。

a.jpg

まだ要素はシンプルだ。それが、3Dになるとこうなる。

b.jpg

先ほどに2Dに比べてだいぶ複雑になった。それでも、仕組みはゲーム機の中で完結する。

それが、ネットゲームになるとこうなる。

c.jpg

多くの要素が、複雑に絡み合っている。しかも、クライアントとサーバ両方にまたがっている。

先に上げた、

b.jpg

なら、多少プログラマーに無理をさせれば動いた。

でも、

c.jpg

になってしまったら、プログラマー個人の努力ではどうにもならない。会社の人間(上層部も含めて)ネットゲームは複雑なシステムを作っていると意識しなければ、まともに動くものはできない。

偉い人がゲームを作っていた頃

今は出世して偉くなった人が作っていた頃、ゲームは、シンプルな3Dであまり要素技術もなかった。ヘタすると、

a.jpg

位の要素技術しかなかった。そして彼らはゲーム作りはそんなものだと思ったまま、その知識をアップデートしなかった。

でも、ネットゲームに必要な要素技術は多岐に渡る。そのため、うまくシステムを作れず不具合を頻発させてしまうのだ。

エンジニアに権限を渡す

この事態を起こさないためにはどうしたら良いか?まず、自分たちが作っているものはゲームではなく、複雑なシステムだと考えを変えることだろう。その上でリリースの判断はエンジニアにさせるべきだ。また、機能を削る権限も彼らに渡すべきだ。ネットワークシステムに不慣れなディレクターやプロデューサーが判断しても、結局まともに動かず、メンテナンスを繰り返すのがオチだ。

Category: [MMO] - 01:40:13

&blog2trackback();
  • お前は現場を何もわかっちゃいない。 -- 2014-01-18 (土) 13:35:15

#blog2navi()


添付ファイル: fileb.jpg 9450件 [詳細] filea.jpg 9634件 [詳細] filec.jpg 9670件 [詳細]

トップ   差分 バックアップ リロード   一覧 単語検索 最終更新   ヘルプ   最終更新のRSS
Last-modified: 2015-02-01 (日) 14:38:24 (3540d)