現代萌衛星図鑑

ネットサービス開発者なら読むべき

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タイトル現代萌衛星図鑑
著者しきしまふげん
出版社三才ブックス
気象観測衛星ひまわり
ハレー彗星探査機すいせい・さきがけ
技術試験衛星おりひめ・ひこぼし
環境観測技術衛星みどり
次世代無人宇宙実験システムUSERS
小型星探査機はやぶさ
月周回衛星かぐや

どんな本

人工衛星を、擬人化した本。日本の人工衛星の仕組みや各衛星のエピソードを分かりやすく紹介している。キャッチーなタイトルや見た目に騙されがちだが、衛星たちが健気に頑張る様子や、それを支えるロケット技術者たちの努力に号泣する本だ。

この本は以下の人ならぐっと来ます。

  1. DBサーバに名前を付けた人
  2. ピークタイム用に負荷分散用プログラムを書いて、神にうまく動くように祈った人
  3. サーバ計測用プログラム(ZABBIX,Nagios)等を通して、サーバの様子が手に取るように分かってしまった人

ネットサービスとの類似性

なんで泣けたか

衛星開発は以下の点で、ネットワークサービス(主に高負荷のネットワークサービス)に似ています。

  1. 実際に実戦に投入してみないとちゃんと動くか分からない。
  2. 本当のピークタイムの時には、手を出せない(再突入とか、夜中10時とか)。
  3. さまざまな計測機器を用いて、段々サーバ(衛星)の様子が手に取るように分かる様になる。
  4. 自分が設計したソースコード・機械が正しく動くと言う希望と、もしかしたら動かないかもって言う不安に苛まされる。
  5. もしうまく動かなかった際のフェイルセーフを、とにかくたくさん用意する(ダミーモードやmockをたくさん作ったりとか)。
  6. どんなに実験を繰り返しても、すべてを予測するのは不可能で、最後は神様に祈る。

どちらの仕事も、今ここにいない機材相手に、機材の様子を推測しながら、次の一手を考えるのが主な仕事になります。機械の気持ちが分かるようにならないと、衛星開発も、サーバ開発のうまく行かないのだろうと思います。

擬人化と言うが

人は擬人化だと言うが、実際の本番サーバも生物の様に動く。サーバ運営をしていると、農作物とか動物の世話をしている気分になるときがある。それは、

  1. ユーザーが増えたり、利用方法が変わると、ボトルネックになる場所が変わる。
  2. ユーザーデータが増加すると、ボトルネックになる場所が変わる。 とか、新機能を追加しなくても、ユーザーの振る舞い自体に応じて、日々世話しなきゃならないからだろう。

自分が関わったサービスでは、DBサーバがボトルネックになることが多かったので、DBサーバの様子は本当に良く観察した。cpu負荷がどの程度になると音をあげるとか。sql queryがいくつにあるとcpu負荷がいくつになるとか。ちゃんと世話すれば健気に動き続けてくれるDBサーバたちに、涙がこぼれます。

開発は、不測の事態を出来るだけ無くし、それでも起こってしまう不測の事態にどれだけ対処できるかが勝負になるのだろうと思いました。

もしあなたが、何かを設計・運用するなら、読んで得ることが多い本です。

はやぶさ帰ってきた。

はやぶさ本体は燃え尽きてしまったけど、思いは受け継ぎました。


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Last-modified: 2015-02-01 (日) 14:38:24 (784d)