[[書評]]
|タイトル|趣都の誕生|
|副題|萌える都市アキハバラ|
|著者|森川嘉一郎|
|序章|萌える都市|
|第1章|オタク街化する秋葉原|
|第2章|なぜパソコンマニアはアニメ絵の美少女を好むのか―オタク趣味の構造|
|第3章|なぜ家電はキャラクター商品と交替したか―「未来」の喪失が生んだ聖地|
|第4章|なぜ「趣味」が都市を変える力になりつつあるのか―技術の個人化が起こす革命|
|第5章|趣都の誕生|
秋葉原は現在、アニメなどのキャラクターグッズや、同人誌、フィギュアなどを主な商品とする、小規模な店舗が軒を連ねている。終戦直後のラジオなどの闇市が、売るモノを変えて再度登場した様な趣がある。~
著者は、こう説明する。都市が個室化し(個室の延長となり)都市の風景を変えてしまったと。確かに秋葉原は、現在、電気街とは言えない、パソコン街とも言えない、独特の雰囲気を持った街になっている。個室の空間が都市を覆うイメージは面白いと思った。研究者の本と言うよりは、ルポと言ったイメージが強い。都築響一の「Tokyo Style」を思い出してしまった。~
彼は、都市計画が「官」→「民」→「個」へと映っていくと言っている。官や民が周到に計画して、実行すると言うよりは、同じ趣味を持った人間がわらわらと集まって、バザール的に街の景観ができあがるというイメージだろう。それはオタク以外の属性を持つ人たちにも飛び火するのだろうか?たとえば、中野とか街の景観が渋谷とは違う。そのような街の断面を捕らえることが出来ているのは、良くわからない。もう少し考察の部分を増やしてくれても良いのではないかと思った。~
「魔窟ちゃん訪問」(アスキー刊)とか持っているあたり(昔、EYECOMで連載されていた)、単なるオタク兄ちゃんじゃないかい!ってつっこみを入れたくなるが面白い内容だった。~

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